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膵臓

急性膵炎

急性膵炎は、正常であれば十二指腸に出てから起こるはずの膵消化酵素の活性化が膵臓内で起こってしまった状態です。
蛋白分解酵素である活性化されたトリプシンにより大量の酵素が働きだし膵組織自身を自己消化します。
消化された膵臓で免疫系が炎症反応を起こし、浮腫、出血、壊死などを起こし症状を来します。
重症のものは単に膵臓の機能が障害されるだけでなく、全身の臓器が巻き込まれ命に関わる怖い病気です。

主な症状

急激なみぞおちの痛みや背部痛、悪心・嘔吐、発熱を認めます。
痛みは仰向けで強くなり、うつ伏せで膝と胸をついた膝胸位という体位をとると和らぐのが特徴です。

原因とリスク因子

中高年の男性に多く(男女比2:1)、男性ではアルコール、女性では胆石が原因として多いです。
他には、原因がわからない特発性、薬剤性などがあります。

診断

血液検査でアミラーゼの上昇、腹部超音波検査で膵臓の腫大、膵臓周囲の滲出所見などを認めることが多く、腹部症状とあわせて診断します。
腹部CT検査で重症度の評価を行い、適切な治療へ進みます。

治療

原則入院での治療となるため関連病院へご紹介します。
絶飲食、適切な輸液、呼吸状態把握など全身の管理を行います。

急性膵炎は若い方でも初期治療が遅れると重症化のリスクが高まり、とても怖い病気です。
原因となるものを取り除き、病気にならないようにしましょう。

慢性膵炎

慢性膵炎は、膵臓で小規模な炎症と修復が繰り返されて徐々に膵機能不全へと進行する、治療の難しい疾患です。
膵組織の石灰化や膵石の形成がみられ、徐々に線維化が進行し機能低下を来します。

主な症状

発病からしばらくは無症状(潜伏期)です。
その後代償期から移行期を経て非代償期へと進行します。

代償期は、慢性的な腹痛が主な症状であり膵機能低下は目立ちません。
時より炎症が強くなって強いみぞおちの痛みや背部痛が現れ、急性増悪を来すことがあります。

移行期は、徐々に膵機能低下が表面化し、逆に腹痛は軽減していきます。
発症から約10年で移行期になると言われています。

非代償期は、膵機能不全となり脂肪便、下痢のような消化吸収障害や、糖尿病の悪化を認めます。
腹痛はほぼ認めません。

原因とリスク因子

中高年の男性に多く(男女比4:1)、男性ではアルコール、女性では胆石や原因不明なことが多いです。

診断

血液検査、腹部超音波検査、腹部CT検査、MRI検査などで診断します。

治療

アルコールによるものであれば断酒、胆石によるものであれば胆石除去を行い、治療が奏功すれば症状の軽減や回復が期待できます。
薬物治療では、蛋白酵素阻害薬、膵消化酵素補充薬、鎮痛薬などが用いられ、必要時内視鏡治療や外科的手術を行うこともあります。

膵がん

膵臓の膵管や外分泌部などから発生する膵がんは、早期発見の困難さと進行の速さからがんの中でも非常に治療が難しい疾患です。
手術不可能なところまで進行してから発見されることが多く、手術可能な方はわずか2割ほどと言われております。
手術できても術後再発率が高く、術後5年生存率は20-40%と不良です。

主な症状

早期では、自覚症状はほとんどありません。
進行すると黄疸(眼球や皮膚などが黄色くなる)や腹痛、腰背部痛、体重減少、急激に悪化する糖尿病などを認めます。

原因とリスク因子

中高齢者の男性に発症しやすく、生活習慣病である糖尿病、肥満、飲酒、喫煙がリスクと言われております。
また慢性膵炎やIPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)の既往を持つ方や、ご家族に膵がんを患った方が多い場合もリスクと言われております。

診断

血液検査、腹部超音波検査、腹部CT検査、MRI検査などで診断します。
内視鏡検査やPET検査を追加で行う場合もあります。関連病院へご紹介します。

治療

比較的早期で見つかった場合は外科的手術が有効です。
進行の程度により薬物治療(化学療法)や放射線治療など考えていきます。
関連病院へご紹介します。

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