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胆のう

胆石

胆汁中の成分が固形化したものを胆石といいます。
日本では成人の約10%に存在すると考えられる頻度の高い疾患です。
大部分の人は健診などで偶然に見つかって何事もなく経過しますが、一部の人には症状や合併症が起こります。

主な症状

基本的に症状はありません。
症状が現れるときは、食後、特に脂質の多い食事をした後に胆石が移動し、みぞおちから右脇腹あたりにかけての痛みや嘔気、嘔吐が生じます。
この症状が一時的であれば胆石発作と言い、細菌感染を伴うと胆のう炎や胆管炎と言います。

原因とリスク因子

脂質の多い食事をすると胆のうが収縮し、胆石が胆のう頸部や胆のう管に嵌頓する(はまり込んで引っかかる)ことで痛みが生じます。
胆石は5Fの人①Forty(40歳代)、②Fatty(肥満、③Female(女性)、④Fertile(多産)、⑤Fair(白人) に起きやすいと言われています。

診断

腹部超音波検査で診断します。
他に腹部CT検査やMRI検査を行うこともあります。

治療

症状がない場合は経過観察ですが、症状がある場合、手術で胆のうを切除します。
日々の生活では、脂質の多い食事を控えるよう栄養指導を行います。

胆のうポリープ

胆のう内にポリープ状に盛り上がった組織が胆のうポリープです。
おおよそ10人に1人の割合で胆のうポリープがあると言われているので、珍しくない病気です。
ほとんど良性のものですが、がんの前段階のポリープのこともあります。

主な症状

自覚症状はありません。
健康診断や腹部超音波検査時などに発見されることが多いです。

原因とリスク因子

胆のうポリープの中では、コレステロールポリープが最も多い種類です。
原因として、コレステロールが沈着し、粘膜が盛り上がっていくことで発生します。

診断

腹部超音波検査で診断します。
ポリープの大きさや性状により精査が必要な場合は、腹部CT検査やMRI検査、超音波内視鏡などを行います。

治療

良性が疑われる場合は経過観察とし、定期的なフォローが望まれます。
ポリープのサイズが1㎝以上であったり、悪性が疑われる場合は、胆のうを切除する手術を行います。

胆道がん /胆のうがん、胆管がん、乳頭部がん

胆道系の上皮から発生する悪性腫瘍を総称して胆道がんと言います。
その発生部位によって、胆のうがん(胆のうに発生)、胆管がん(肝外胆管に発生)、乳頭部がん(十二指腸乳頭部に発生)の3つに分類されます。

主な症状

胆のうがんは初期には自覚症状はありません。
進行すると右脇腹痛や黄疸(眼球や皮膚などが黄色くなる)の症状を来たします。
胆管がんや乳頭部がんは、比較的初期より黄疸を認めます。

原因とリスク因子

胆のうがんは高齢女性、胆管がんは高齢男性に発症しやすく、リスクとして膵管胆管合流異常という先天異常による胆道系への膵液の逆流があることが考えられています。
また胆石も胆のうがんの発がんに多少関与しているとも考えられてます。

診断

血液検査、腹部超音波検査、腹部CT検査、MRI検査などで診断します。
必要時PET検査を追加で行う場合もあります。関連病院へご紹介します。

治療

根治が見込めるのは外科的手術のみであるため、手術可能である早期発見が重要です。
進行の程度により薬物治療(化学療法)など考えていきます。
関連病院へご紹介します。

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